フィリピン家具の木材

Radiata
木理は荒いというのだが、一枚板のパネルなどは間隔の広い木目は思いのほか美しい。杉と聞いて少し耐久性に不安を感じたが強度などは十分にあるようだ。高級感もあるように感じた。キングサイズのベッドフレームには日本に持ち帰ることを考えると、軽量で丈夫なRadiataが良いように思う。正直、Narraでは底が抜ける恐れがある。
以下抜粋―別名ラジアタパイン、チリ松。NZ、チリ、豪州産。マツ属(マツ科)。全て造林木で原産地は北アメリカ。約一世紀ぐらい前に移植された。生長が非常に速いのが特徴である。南米チリに移植されたものをチリ松と呼んでいる。 
防腐処理して一般構造用材主体に使われるほか、箱材、杭木、芯材、集成材、合板用材など用途範囲は広い。心材の色は淡褐色ないし褐色。辺材は黄白色、境ははっきりしない。 
マツ科特有の樹脂が非常に強く、比較的強度もあり適度に耐久性もあるが接地すると保存性に欠ける。 
耐久性△ 耐水性○ 防虫性○ 強度○ 加工性○ 塗装○ 重さ 普通 高級感---

Mahogany
なんとフィリピンで言うところのマホガニーは最高級材のマホガニーではなく、ラワン材のことなのだそうだ。紛らわしいことこの上ない。見た目がマホガニーに似ているということだが、マホガニーのような木目の細かさは無い。確かに光沢はあるのだが、研磨した表面が完全にすべすべになることはなく、木目にそって凸凹としている。どのように木材を切り取るかで見た目は大きく異なるようだ。耐久性、耐水性、防虫性もさほど高くない割には重くて値段も高い。
別名セラヤ(マレーシア)、メランチ(インドネシア)。東南アジア産 パラソレア属、ペンタクメ属、ソレア属(フタバガキ科)フィリピン、マレーシア、インドネシアなどに分布。産地国によって呼名が異なる。“ラワン”はフィリピンでの名前で、前述のフタバガキ科3属で構成される同属の総称である。 
代表的な合板用材としてよく知られている。大径木が多く幅広板がとれるので重用される。建築用材に、家具材、箱材など用途は広い。ホワイトラワン系、レッドラワン系に大別される。前者は桃色を帯びた淡灰褐色ないし淡黄色で心材、辺材の境界は明らかではない。後者は濃赤褐色ないしレンガ色で境界ははっきりしている。木理は交錯、肌目は粗い。木質は軽軟が多いがレッド系はやや重い。加工は容易。耐朽性は低い。
耐久性△ 耐水性△ 防虫性△ 強度◎ 加工性◎ 塗装○ 重さ重い 高級感 ---


Narra
意外とチーク材はみかけない。フィリピンでも高級で供給も少ないようだ。そうなると手頃に手に入る木材でバランスよく耐久性、強度、防虫性に優れ、かつ高級感もあるのはこのNarraのようだ。大木から採られた一枚岩は光沢を持ち、木目が美しい。かつ頑強。ただ、木目の詰まった箇所を利用した家具をみると表面がでこぼことして安っぽく見えてしまう。採る場所次第で大きく見た目が変わるようだ。懸念事項は非常に重いということ。そして時間をかけて乾燥していないと剃りが生じてくるということ。
名称カリン(花梨)ナーラ(フィリピン)、パドウク(ミャンマー)、ニューギニアローズウッド(ニューギニア) 東南アジア産 プテロキャプス属(マメ科) 
主に、タイ・ミャンマーなどの東南アジアの原産種で、フィリピンやニューギニアまで分布している。各産地によって呼名が異なる。なお、日本などでよく見られる果物のカリンとは全くの別の種類である。
重構造材、建築材、車輌材とくに羽目板・床張、などに用いられる。ほかに、この材の刻みものは家具類、器具類などに広く愛用されており、木の樹液は染料の原料、あと銘木としても取り扱われている。 辺材は灰白黄色でやや厚く、心材は明赤色から暗色の縞を伴った暗い煉瓦赤色を呈している。木理はやや交錯または波状、肌目は中くらいで、光沢があり磨くと美しい。堅くて重い材ではあるが、加工は比較的容易である。耐久性◎ 耐水性◎ 防虫性◎ 強度◎ 加工性○ 塗装○ 重さ 重い 高級感◎

値段はRadiata:Mahogany:Narraは1:1.3:1.9といったところ。軽さと安さをとってRadiataか、耐久性と頑丈さをとってNarraの選択になる。Mahoganyは値段に対してこれという利点が無いように思う。

全体の重量を考慮してキングサイズベッドはRadiataで、傷の付きにくさと頑丈さを考慮してソファーテーブルをNarraで作ろうかと思う。TV台もRadiataでよかろう。ダイニングテーブルと棚はどうしようか。