音楽の都ウィーン

部下の子が初めての欧州だということなので、室内楽、オペラとウィンナーワルツの見世物小屋へ行くことにした。

バイオリン3人、チェロ、コントラバス、ピアノ、フルート、クラリネット、トランペット、打楽器という構成。これはスタンダードな構成なのだろうか。よくわからぬ。

200人ほどが入るであろう広間に、小学校の教室の椅子に似たものが整然と並ぶ。舞台から最後尾列までは30mほどのこじんまりとしたホールである。こんな壮麗な音楽堂が至るところにあると思うと羨ましい限りである。


モーツァルトシュトラウスが主でアイネクライネナハトマジーク、トルコ行進曲魔笛など聞き覚えのある曲ばかりなので馴染み易く飽きない。バイオリンの音色は澄んでいて聞き入ってしまうのだがクラリネットと打楽器がずれていたり調和を乱しているように感じた。自分は音楽に関してはずぶの素人なので、そもそもそういうものだと言われたらそうと思うしかないが、ここまで洗練された楽曲が素人でも違和感を覚えるように創られているとも思い難い。

演奏しているのは音楽で身を立てている職業演奏家であろうし、音楽の都ウィーンであろうから水準は高いはずである。あるいは生の演奏は相当な腕前の職業演奏家であろうと完璧に近い演奏はかくも難しいと言うことなのだろうか。

若しくは単に観光客向け然としたコンサートゆえなのかもしれぬ。地元の人はまず観光客相手のコンサートには聞きに来ないように思う。曲の説明や冗談の混ざったナレーションなど音楽を純粋に楽しみに来る人には無用だろう。耳の肥えていない観光客相手ならば十分な内容なのかもしれない。あるいは中央に座っていないせいで音がずれて感じるのかとも思ったが、さほど広くもない部屋でそんな些細な違いを聞き分けるほどに自分の耳は鋭敏では無い様に思う。

そんな気になる点もあったが、そもそも25ユーロの入場券でウィーンフィルハーモニーを求めるのはおこがましい話か。気軽に生の演奏を楽しむ場としては非常に良かった。クラシック音楽はロックなどとは比較にならぬほどに迫力がある