ウミウサギ

Twin Rocks、CathedralにKoaraと3本潜る。

TwinRocksにはもう2度、3度と潜っているが、同じポイントでも潜る日、時間によってがらりと雰囲気が変わることに気付いた。さほど印象に残らなかったダイビングスポットですら日を改めて潜ると活発で多様な魚を見ることができたりする。幾度となく新しい何かを期待して潜りたくなってしまう。ダイブインストラクター曰く、潜ってすぐに魚が食事時かどうかが活発さでわかると言っていたが、確かに朝一番で潜ったTwin Rocksは今までで最も満足の行く賑やかな一本だった。活気がある。

視界が10メートル以上あって開放感があり、陽差しの強い日だったこともあり、海底は明るく珊瑚も鮮やかに照らされていた。とある珊瑚の上にダイブマスターが奇妙な生き物を見つけてくれた。白地に黒の斑点の軟体でウミウシかと思ったのだが、何回か指でつつくと中から貝が現れてきた。ウミウシならぬウミウサギという貝の一分類であるそうな。生体の貝は外套膜と呼ばれるカラフルな貝の体で覆い包まれているのである。


ミウサギと呼ばれる貝は名前にふさわしい純白の貝なのだが、他にも多種多様な種がいる。先月、バザーで買った形が奇妙な貝もウミウサギの一種で妻紅緋貝と呼ばれるらしい。

なんでもこの群には愛好家が多く、南勝浦を初めとして日本各地で見つけられることもあり和名が付いているものも多い。

30年生きてきても海の中の生物は思いのほか馴染みが無いもので、ありふれたものですら新鮮で目新しい。また写真図鑑なんぞを開き観たくなる。ウミウシ、ウミウサギ、ウミネコ、ウミブタがいればウミイヌなんてのもいるのかね。ちなみにウミウサギの一種に歯車毛彫(ハグルマケボリ)というフィリピンでも見つけることのできる「最も小さく美しいウミウサギ」と評される貝があるらしい。なんでも、学名がCrenovolva (Rotavolva) hirohitoiと言い、昭和天皇の名を冠していることでも有名なんだそうだ。

  • ミウサギ ネイチャーウォッチングガイドブック
  • 生きている海のジュエリー 日本と世界のウミウサギ165種+生体写真53種
  • 誠文堂新光社出版