フィリピン人気質

「フィリピン人を支配しているメンタリティには“ヒヤ”と言われる恥の文化がある。これは日本人は心してかかる必要がある。要はメンツである。日本人にもこの文化は色濃いが、我々日本人はメンツを潰されてもさらに“耐える”文化がある。フィリピン人には耐えるという感性はかなり乏しい。」他ブログ引用

まずフィリピン人と働く上で気をつけないといけないこととしては、人前で叱咤しないことだという。そのような行為は改善点を厳しく指摘されたと受け取られることはなく、単に侮辱と受け取られる。そして報復に出てくることも時折あるという。

また、見聞する限りでは、長い植民地を通じて培われた国民性だといわれるが、基本的には温和、従順で違うと思っても反論するという姿勢は薄いらしい。特に自分の上司や年長者に対しては多少納得していなくても論争を避けて従ってしまう傾向があると。


ここまでは人からの伝聞。ここからはチームのフィリピン人らから聞いたこと。

一般的に彼らの中で謙虚は美徳らしい。自分のした仕事の成果を自分の手柄だと主張するのは格好の悪いことだと考えているとのこと。今では活発に意見するようになっているわがチームの子も、入社当時は積極的に発言しないことを改善点に挙げられたという。また、何か取り組んできた課題が成功し実を結んでも、あえて上司に知らせずに完結させてしまうことも多い。

残念ながら私の勤める会社は米国文化企業であり、自分の仕事の成果をそのように、あるいはそれ以上に主張する社員が多い。とりわけマニラの内部監査チームは私の上司も日本、その上の上司もブリュッセルにいるとあって、普段の仕事様をみて判断してくれるわけではない。また、我等は世界中の内部監査のプールの中で評価される。つまり北米、南米、欧州の社員と比較評価にさらされる。よって自らの成果を遠隔地にいる彼らに効果的に可視化してあげないと、主張上手な社員の中にあって正当な評価を得ることが難しくなる。

全く面識の無い人をどれだけ優れていると推薦されても、どうしても自分の面識のある優秀な人をより高く評価してしまい勝ちである。人が人を評価するに当たって主観を完全に排除することなど考えがたい。



フィリピン人社員の社内での課題は日本と同様にこの「Exposure」である。日本語に直すと直訳ならば露出、意訳としては可視化させるということか。

とは言え、自分のスタイルへの美学やこだわりもあってもいいのではないか。自分の成果を評価の為に売りこむのを良しとしないのもそれはそれで潔くて好きだ。

あくまで良い仕事を常に心がければよい。自らが質の高い仕事をし、それが被監査組織から認められ、他の地域でも良い参考事例になるならばそれを積極的に提案し共有していけば良い。評価の為の喧伝などしなくとも正当な評価を勝ち得ることはできる。

いずれにしろ、我がチームの子が質の高い仕事に対して正当な評価と注目があたるようにサポートするのは自分の役目だ。