29歳、脱力して臨む

誕生日。ああ、もう29歳か。29年も生きてきたのだね。29年もまわりに育てられてきたのだね。29年も何かを受け取り、消費しながら生きてきたのだから、せめてもっとまともな人間になりたいもんだ。


さて、監査は来られる側からしたら、粗探しに来たようで嫌なものだ。何が出来ていないかを言われるのは心地の良いものではない。我らはプロセスを評価しに来ているのであって、個々人を評価するのではないと言うけれども、どこそこのプロセスが非常に弱いと言えば、それを担当している人がすべき事をしていないように受け取られてしまう。

中には、相手を見て態度を変えてくる人もいる。監査チームはSupervisorという監督というか責任者が1名、In-chargeと呼ばれるチームリーダーが1名と数名のAuditorで構成される。実査においてはSupervisorやIn-chargeが監査対象の人とのコミュニケーションの中核になる。ちなみに小生は今回は見習いAuditorを訓練がてらやっており、自分の本来の職責は明かしていない。先日、非常にニコニコと挨拶に来て「問題は無いですか?皆協力的ですか?」なんて愛想を振りまいていた人が、いざ幾つかの事項を確認しに会いに行ったら非常にそっけなくあしらわれた。何やら愛想を振っていたのはin-chargeに対してであってauditorにではなく、確認に来たのは下っ端だと踏んで面倒だからあしらった様な対応。

Supervisorだけをやっていると現場の人との確認が遅いAuditorは要領が悪いのではないかと訝しがってしまう場合があるが、Auditorにとっては常に相手が協力的だとは限らないのだろう。Supervisorには見えずらいこともあることを肝に銘じて必要に応じて助力するようにしないとな。

まあ、美味しい国に行けば美味しい食事にありつけるけど、実際の仕事は思いのほかストレスも多い。相手は基本的には身構えているし、協力的とも限らない。指摘を素直に受け入れるとは限らないし、強い不快感や拒絶を示してくることも多い。感情的にさせてしまったら厄介になる。

監査に限らず、厄介な交渉ごとや説得ならば尚更、脱力して冷静に事を荒げずに進める必要がある。脱力と手を抜くのは違うのだよな。こちらの緊張は相手を緊張させる。リラックスした態度で臨めば相手の態度を和らげ、より内容に目を向けさせることができ、結果として物事を進めやすくなるように思う。

29歳の目標は手を抜くことなく、脱力して物事に当たれる様になること。