リスク探し

自分が経営者だとしたら、当然法令違反を理由に罰金を払うような事態は避けたい。会社の金を持ち逃げされるのも防ぎたい。備品を紛失するのも避けたいし、売掛金を回収し損ねたり二重支払いするのも避けたい。願わくばそもそも不正を起こしようが無いような業務プロセスを構築したい。もし会社が大きすぎて自分の目が届かないならば、それらのチェックを誰かに頼むだろう。そしてそのような仕事を頼まれているのが内部監査チームなわけだ。

しかし広告宣伝や売上関連のプロセスをとってみても、私の属するマニラの8人でアジア、東中欧、中東、アフリカの膨大な国々を担当するのだからことは厄介だ。監査対象は例えば日本国地域の○○事業部をひとつの監査対象として選ぶ。よって地域数X事業部数だけ監査対象があることになるので数百はあることになる。しかしひとつの監査対象に大抵3週間費やすので、2チーム編成にしても年間でせいぜい24箇所しかみられない。そうなるとリスクの大きいビジネスや組織を如何に抽出できるかが鍵となる。大海の中から目的地の島々を見つけ出すようなもんだ。

ビジネスの規模、組織変革、ビジネスの伸長、取引の複雑さ、使用システムの新旧、各組織の自己評価など様々な要素でより重要な監査対象を絞り込んでいくわけだが、隠れたリスクをどう見つけ出すかは難しい。もしA国とB国のどちらかを選ばざるを得なくて、A国を選んで監査に行った後にB国で不正が起きてしまったら。。。本来はB国に監査に行って不正を防げる仕組みを作らないといけなかったのに見過ごしてしまったことになる。

もう、いっそのこと地球儀にダーツを投げて行き先を決めようか。
次の行き先はコートジボアールです。。。みたいな。