笹と竹とバンブー

日本で見た竹はあまり見た目に差が無かったように思う。竹と笹では大きく異なるのは知っているが、竹というと筍で一般的な孟宗竹と黒竹ぐらいなもんだ。実際は真竹とか女竹とか150種類ぐらいあるらしいが、見た目はそんなに違わない。

では東南アジアで見るこの異形の竹はなんなのか。

実は、分類学上は笹類と竹類、それにバンブー類の三つに分かれるらしい。バンブーは竹の英訳だろ、と誰もがつっこみたくなる。竹類とバンブー類をそれぞれ英訳するにはどうしたらよいのかArundinariinaeとかRacemobambodinaeとか学名で呼ぶしかなくなる。そうなるともう日常会話にはならない。
笹と竹:竹類は生育後に筍の竹皮は落下するが、笹類は生育後も着生している。
竹とバンブー:竹類、笹類は地下茎で繁殖するのに対し、バンブー類は分蘖(ぶんげつ)で繁殖する。

一点の根元からにょきにょきと放射線状に生えてくるのを分蘖と呼ぶらしい。確かに異形の竹の根元は下図のようになっていた。あれらは竹ではなくバンブーだったのだ。そしてマニラでは竹よりもバンブーのほうが一般的だということだ。竹は種類により60〜120年周期などで一斉開花した後に枯死するがバンブーはどうなのだろう。花をつけているバンブーを頻繁に見るがどうやら一斉枯死はしなさそうである。

バンブーは節が多すぎて加工しづらいのだろうか。椰子の木ほどに加工材料として普及していないように思う。



一番下の写真は竹だけれども、これも黄色と緑で少し珍しい気がする。そういえば、土門拳の写真に今年竹の素晴らしいやつがあったな。