NewYork ゆるい1日

朝は10時に起き、一緒に宿泊しているイラストレーターと美大卒のオーナーと2時間ほどだらだらと談話。履歴書作りの為にNewYorkに個展を開きたい日本人アーティストが多く、それらをカモにするギャラリーも多いという話。人も来ないような場所に適当に作品を並べて割高な出展料を取る。しかしその一方で、本質置き去りでNewYorkに個展を開いたと言いたいだけのアーティストも多い。日本人は作品の良し悪しを自分の評価軸で見ることに自信が無く、NewYorkの具体的にどこで個展を開いたのかも聞かずにただNewYorkと聞いただけで「すごい」などと感心するから。

NewYorkの美大で美術を習うと、理論の重厚な下地も習うという。そして描く絵には絶えず理由を求められるのだそうだ。人物を3人配置していたらなぜ4人ではなく3人なのかと。それは3は三位一体に象徴されるように神聖な数字であるとともに絵にバランスを与えるために3人であるとか。夕日を描いていたら何をもってこれは朝日でないと言い切れるのかと。それは朝日には紫外線量が多いがこれは夕日なので暖色だけで描いているなどと。素人からするとそこまで理詰めである必要があるのかと疑問に思うが、自分の表現したい美ををとことん意識することが重要なのだそうだ。


昼過ぎにようやく宿を出た。なにやら先日のメトロポリタン博物館の印象が強すぎて、見たものの残像が頭の中をぐるぐるし続けている。おかげでMoMAも自然史博物館も見に行く気が起きない。ハイドパークもエンパイアステートビルもブロードウェイも予定にはあったのだが見ることなく終わる。嫁さんと次回来た時の為にとって置きたいと思った。

SOHOをぶらぶらと歩き、プレゼントを買い、何をするわけでもなくひたすら街を歩き続け、ベトナム料理を食べて20時には宿に戻ってきた。

相変わらずNewYorkの夜景は綺麗だ。子供の頃観たアニメ「甲殻機動隊」の冒頭で落下するシーン、漫画「北斗の拳」でシンが落下するシーンはこんな高層ビル群が背景だったように思う。底が無い。