内部監査が今のご時世に求められること

どこかの証券会社が偉そうに1バレル200ドルは越えるでしょうなんて言ってた頃から半年して1バレル40ドル台まで急降下した。売上数量が減ることを覚悟して値上げプランを次々と実行し始めていた各市場では状況が一転しており、少ない時間で戦略修正が求められている。

世界的な景気後退が形を成してきた。出稼ぎ労働者は職を失い、日本でも派遣切りという言葉がメディアに溢れ、自暴自棄になった元派遣社員がタクシー運転手を強盗するような事件まで散見しだした。売り上げが鈍ったところにサブプライムに端を発した信用収縮が資金繰りの悪化した原料供給業者や卸、小売店の逃げ場を塞ぐ。こうなるとなりふり構わず「奥の手」「禁じ手」を使う人も出てくる。これは経営者だろうと一従業員だろうと変わらない。残念なことに不正実例の統計では年収と役職の高さは誠実さと反比例している。富と権力多くして倫理落ちるとは悲しい。我社でも同じだ。

自分自身は給料が減らされるわけでもないし、大規模企業に勤めていることもあり、さほど不景気の実感がない。しかし確実に、染み込むように不景気の影響は各所に浸透しているのだろう。

今の世の中では尚更、冗長で過剰な内部統制は求められていない。シンプルでかつ効率的。それでいてこれなら必要十分にリスクを抑えられますというプロセスを提示できないといけない。いかに現場を助けるか。いかにリスクからビジネスを守るか。そのふたつを両立させないといけない。豪州で導入される世界共通販売管理システムに対するリスク評価と改善提案をしにいくわけだが、「簡素化するからこそ内部統制を強められる」改善案が採用されるよう内部監査という立場と役割を活かして援護射撃していきたい。

他にも学ばないといけないことはたくさんある。

  • 独占禁止法 できればアジア各国の違いも含めて
  • より詳細なBusinessModelCompliance要件
  • 取引相手の信用リスク評価手法の理解と改善点の模索
  • 外注先に対するガバナンス手法の基本枠組みの理解
  • 人海戦術手作業で運営している国における現実的な妥協案

あぁ 気が遠くなる。



今年は景気は良くなるのか悪いままなのか。
見方によっては危機なのか好機なのか。
自分にとって達成感の残る年になるのかそうはならないのか。