偏食

フィリピン人にはなかなか偏食家が多い。「偏食」と言うより「好き嫌い」というほうがニュアンスとして近いように思う。サブウェイサンドのトマトや玉葱やキャベツを執拗に取り除いていたり、チヂミの中に葱やら韮やら緑を見るや興味を失ったり。韓国と聞けば焼肉天国を連想するのだが肉食フィリピン人にはすんなり受け入れられるものではないようで、キムチが駄目であったりユッケが駄目であったり、随分と旨いのにタコが駄目であったりと何かとうるさい。まるでアレルギーがあるかのように「私は○○が食べれないの」と言うのだが、要は「私は○○が嫌いなの」と同じだと思っている。

自分ともう一人は何でも食べており、結構韓国料理を楽しんでいるのだが、他の子にあれは駄目これは駄目、食べられるものが少ないなどと言われると正直、興が冷める。恐らく自分ともう一人は「旨い」と「旨くないけど食べる」の二択なんだろうが、他の皆は「旨い」「旨くないけど食べれないほどではない」「旨くないから食べない」の三択のようだ。ではその代り何が食べたいかと言うとKFCだったりマクドナルドだったりするから別段、舌が肥えていて基準が厳しいとも思えぬのよな。

上司に食事にまで口を突っ込まれる筋合いも無いであろうし、楽しい食事に小言めいた事を言うのも無粋だから何も言わないが、腹の中では自分の子供は好き嫌いがないよう育てたいと思った。もし誰かにご馳走されたときに、好き嫌いしては失礼であるし、食べ物は有難くなんでも食べるようであって欲しいし、皆で食べるときは好き嫌いが少ないほうがなんとなく良いように思う。まあ、程度の問題ではあるが。

ところでトマトはトマートーだかトメイトウだが音感は近いが、キャベツはキャベッジから些かかけ離れているのは何故なのだろう。下手な字で書いたキャベジとキャベツを混同したとか、まさかそんな下らない理由ではあるまいな。ジャガタラ芋がジャガイモになるぐらいだからこれも訛っただけなのだろうか。