Slumdog Millionaire

浮浪者の子供を集めて才能を見極めてその道へと育てる。そしてピン撥ねをする。今の刑民法に照らせば違法なのだろうが善悪はわからない。いや、強制し自由を奪っている時点で駄目か。

映画は現実の世の中を知り、賢くなれと言っている気がする。世界的に大当たりし、アカデミー作品賞も取り興行的には大成功しながらもスラムの少女役には300ドル程度しか支払われなかったであるとか、娘はアカデミー(作品賞に出た)女優だからと親がその娘を高値で養子縁組させようとしたであるとか。メディアで伝えられるどこまでが真実かは知りえないが、それらも含めて現実を知って賢く生きろと言っている気がする。

弟を翻弄し続けた兄が最後に弟の為に死ぬ。一貫して温和な人もおらず、大多数の人が優しく振舞いながらも平気で冷酷なことができたり、簡単に欲に負けたり。それでいて得体の知れない勢いに動かされて時に思いがけない自己犠牲を見せたり。

身の回りでも、お世話になった伯父が危篤になった。小さい頃から面倒を見てくれた頑強な伯父に癌が再発した。決して本人の本意ではなかろうし想像もしていなかったに違いない。人も世の中もとても移ろいやすく、確かなものはとても少ない。思い通りになることも少ない。ならばこそ自分の信ずるままに生きろと言っているようにも思う。

ところで、美しいものほど儚いように思う。