This is it

コンサートを作り上げている全ての人が身震いするほど格好よかった。一流の人が集まって一流の仕事をしている。ギタリストもドラマーもコスチュームデザイナーも振付師も特殊メイクも。そしてアイデアに溢れている。エンターテイメント先進国のさらにLeading Edge。かなわんな。

それにしてもMJ。

20代の本職のダンサー達よりも踊りにキレがある。そもそも、踊りを飯の種にしている選りすぐられたダンサーに踊りを教えられるアーティストなんて世の中にどれだけいるのだろう。ましてや50歳にもなってあれだけ踊りながら息が切れないのだから、相当な鍛錬が背景にはあるのだろう。

音の揺らぎやキレから、ダンサーの一挙手一投足まで細部に気を配り妥協することなく自分の描くパフォーマンスの世界を表現していく。何よりすごいのが、単にアーティストとして、自分の描く理想に近づけるために注文を付け要求し続けるだけではなく、スタッフを鼓舞し一体感を作り上げていく器量が彼にはある。ナイーブで内向的な天才だと思っていたが、カリスマ性とリーダーシップがある。自ら例示して大勢を導く圧倒的な技量がある。

本作はエンターテインメントとしてだけでなく、仕事をする者に「一流の仕事」とは何たるかを例示してくれているようにも思う。

MJ、こんなに凄い人だったのか。今、本人が生きていてチケットが入手できるならば買いたい。

コンドミニアムの下で出会った隣犬。残念。ピントが耳に合っている。