去勢

6ヶ月経っても漢になれなかったので、マンゴーは去勢されることとなった。真面目な話、睾丸が体外に降りてこないと癌化する可能性が著しく高くなるということなので医者に手術を勧められていた。

多少降りてきているのであれば、マッサージして引っ張ると降りてくるらしい。そこで、嫁さんと必死にそれらしい箇所を手探りしたり揉んだりしてみたのだが、マンゴーは気持ち良さそうにするだけで結局玉は降りてこなかった。

病院に預けると、誓約書に署名させられた。施術中あるいは術後に犬が死亡しても病院は免責されるとのことに同意しなければならない。小型犬の場合、全身麻酔の量が多すぎてそのまま死んでしまう事例は少なくない。正直かなりの不安がある。

施術経験は豊富そうであるし、ここ以上に信頼できそうな動物病院は知らない。手術を先延ばしにしても、素人がどうこうできるわけでもないので、去勢をお願いするしかないのだが、どうしても不安は残る。

運悪く動物病院には躾の出来ていないギャンギャンと吠える犬が預けられていた。あんな犬と同室ではそれもストレスだろう。なにやらとても可哀想な事をしてしまったような気になりながら病院を後にした。

どうか無事に帰ってきますように。不安で不安でたまらない。自分でも予想外だ。