夢の国

小生にとっての夢の国は伝統工芸品の詰まった木造3階建て旅館だったりするのだが、嫁さんの夢の国はやはり千葉にあるヤツらしい。小生が重厚な梁を観て胸躍らせるのと同様に、入園するや否や嫁さんは上機嫌となりファーストパスの機械目掛けて一目散。

1月は1年で最も空いているらしいが、それでも人気アトラクションは100分待ち。昼前にもファーストパスも終了するところがチラホラ。なんで子供、女性はこんなに好きなのかねえ。

このディズニーランド、今や本家を除いて世界各地に展開しているディズニーランドの中で一番繁盛しているらしい。開園当初は固定額を本家ディズニーに支払う権利ビジネス方式で始ったそうで、客が増え続けて売り上げが増えても、儲かるのはオリエンタルランドで、本家ディズニーの儲けは増えないらしい。年間の権利使用料を値上げしてしまえば良いのだが、急激には値上げできないようなうまい契約が交わされているらしい。

これを教訓にユーロディズニーや香港ディズニーには売り上げの数%が本家ディズニーに支払われる売り上げ連動方式が採られたそうだが、肝心のユーロディズニーも香港ディズニーもイマイチ振るわない。オリエンタルランドとの契約形態は本家ディズニー最大の過ちだと言われているそうだ。

ユーロは立地が悪いうえ、オリジナルの城が近辺にゴロゴロしている中で、張りぼてのディズニーの城では白けてしまうのだろうか。香港ディズニーランドは敷地が狭い上にキャストの教育もなっておらず、中国らしさが透けてしまっているなんて話を聞く。

東京ディズニーランドは緻密に作り上げられた巨大なお店のようだ。魅力的な帽子や手袋などのグッズ、容器がキャラクターで彩られたポップコーン、豊富なギフトショップ。どれも結構値が張るのだが、子供が喜ぶならば、と親の財布もつい緩む。スターツアーズと言う乗り物があって20分待ちで乗ったのだが、中を見てみれば6つあるうちの3つしか稼動していない。It’s a small worldも30分待ちだったのだが2つあるレーンのうち1つしか使っていない。フルに稼動すれば待ち時間無く乗れるのだが、敢えてそうせずに混雑を演出しているように思う。丸1日かけても全てのアトラクションは乗ることは難しい。飢餓感を抱きながら帰るから一層リピーターになるのだろう。恐るべし、笑顔の裏の緻密な計算と演出。夢の国の話を書くはずが金の話になってしまってなんとも夢が無い。

小生はディズニー映画に馴染みが無い。最近の子供もディズニー映画なんてみな観ているのだろうか。ミッキーマウスをアニメで観た子供なんてどれだけいるのだろう。ディズニーランドの雰囲気とテーマパークの楽しさに惹かれているのではなかろうか。だったらむしろ宮崎駿ランドを作って欲しいものだ。メーヴェライドや猫バスライド、ゴーカートの代わりに王蟲では駄目か。ツリーハウスなんて規模ではなく、飛行石で浮かぶ城を実現して欲しい。ジャングルクルーズ腐海クルーズだ。ガイドに「ムシゴヤシが午後の胞子を飛ばしています」なんて解説して欲しいもんだ。バズライトイヤーよりラピュタのロボット兵だろう。千と千尋のような遊郭のレストランやギフトショップ街があったって良い。宮崎アニメのほうがよっぽど世界観が個性的だ。宮崎さん、商業主義が嫌いだなんて言わずに外貨獲得と内貨流出予防に宮崎ランドを作っておくれ。

一眼レフを携えて臨んだディズニーランドは被写体が豊富で意外と写真を撮っていれば待ち時間も飽きない。