ゼロの焦点

評価☆
日本にも困窮し、生活の為に米国兵に体を売り、蔑まれ、尊厳を維持することが困難な時代があったことを再認識させられる。

鹿賀丈史演じる実業化が妻の罪を被り拳銃自殺する際の心境はどのようなものだったのだろうか。貧しい出自から力でのし上がり富を手にした男は、何に餓えるのか、何が満たされなかったのだろうか。心の底をついぞ見せてくれなかった妻に人生の虚しさを感じたのか。本来ならば全てを分かち、判り合えた脛に傷を持った二人だったように思える。

ところで、広末涼子が演じる夫を失った若い妻が、実業家の妻が犯人だと察する部分が多少飛躍があって無理があると感じた。他にも、飛行機上の上映の都合上、いろいろとシーンがカットされている。