Sex And The City 2

評価☆☆

ドバイの豪華さに目を奪われた2008年を思い出す。「Dubai is old. Abu Dabi is the new future」。アブダビはそれ以上らしい。アブダビの華やかさを持ち上げると思いきや、閉鎖性や二面性、信頼の置けなさを描いてしっかりコケにしている。アラブ女性の黒い衣服の下にはニューヨークファッションだなんて。中東の人は気持ち良くなかろう。もしくは欲惚けした米国人らしさが描かれた映画と捕らえるか。いや、そもそもこの映画は中東では上映されないような気がする。

UAEに行けばわかるが、先進国と変わらぬ物品に溢れて街はまばゆいほどに清潔で豪華である。アラブ人は真昼間からカフェでだらだらと茶をすすって寛ぐのをあちこちで見る傍ら、インド、パキスタンからくる労働者やフィリピンからの出稼ぎが甲斐甲斐しく働いてこれらの国はまわる。UAEやサウジなどの中東石油国家は国際社会からはけして先進国とは見做されない。単に石油を売った金でいろんなものを買い集めているだけだと見做されているから。

そんなUAEに対する見方と、これでもかというアメリカ人的価値観を押し付け押し通そうとする主人公らがぶつかる様が面白い。

あれだけ多様な価値観を容認するニューヨークであろうと、愛情は思いのほか純粋ということか。それにしても登場人物の女優もみな40代以上。サマンサ役のキムキャトラルに至っては56年生まれの54歳。目尻の皺も肌の弛みも目立つし、随分とやつれて見えるシーンもある。それでも見事なまでの中年女性が若々しく着飾り振舞うその熱量に圧倒される。歌手のマドンナを髣髴とさせる。

仕事や家族環境は変わろうとも悩みやコンプレックスも打ち明け相談し合える友情というのは素晴らしい。