ベトナム生鮮市場
ベトナムの生鮮市場をうろつく。嫁さんに指摘されて「ハッ」としたことがある。
これだけ鮮魚や生肉が並べられていても生臭さを殆ど感じない。生ものを並べればどうしても腐臭は感じてしまうものだが。
歩いていると、脇のおばちゃんが手網の中の塊を掴み、突如地面に投げつけ始めた。驚いて目を凝らすと肥え太った蛙である。気絶させているのか、殺しているのか。よほど飛び回るほどに新鮮なのだろう。
なんとも行儀良く並んでいる蟹達。足を縛られてもいないので死んでいるのかと思って顔を近づけると目がぴょこりと立ち上がった。よいのか、それで。そのまま行儀良く並んでいても買われて焼くなる煮るなりされて食われるだけだが。縛られるぐらいならじっとしているほうがましだという諦めの境地だろうか。
謎の貝。調理した品にお目にかかることは無かった。蛤のワイン蒸を食べたが、これもムール貝のワイン蒸同様、美味だった。
脳味噌。山羊だろうか、牛だろうか、豚だろうか。脳味噌だけ見てももとの動物すらわからない。これはスープや煮込みになるのだろうか。
商品の回転が良いのだろう。生きている魚介類も多いものだから腐臭も少ない。これだけ新鮮な品々が集まること、生臭さを殆ど感じさせないほどに周辺を清潔に管理していることに偉く感心した。それにしても蝿も少ない。不思議だ。