タイシルク王 ジムトンプソン

友人がジムトンプソンの家がとても好きだと言うので興味を惹かれて連れて行ってもらうことにした。

ジムトンプソンはノルマンディー上陸作戦にも従軍した米国軍人でCIAの前身のOSSにて諜報員としてバンコクに赴任していた。帰国命令が出た際には米国人女性と離婚したこともあり、バンコクに残ることを決めたらしい。その後、衰退するタイシルクの魅力に取り付かれ、ハリウッドや米国ファッション業界に売り込むことを通じて世界的に名声を高め、タイシルクの復興に成功した。60歳の時にマレーシアで謎の失踪を遂げている。

ジムトンプソンの家はタイ各地から運び寄せたタイ建築8軒から成っており、基本的には高床式で2階部分が居住部となっている。台形の地震に強い構造をしており、四方に大きな窓が設けられており風通しが良い。室内には彼がタイだけでなく、ビルマカンボジアラオスなどから集めた仏教芸術品が置かれており、時代を感じさせる落ち着いた雰囲気が漂う。

人生をかけて文化財を復興させることを通じて財を成し、成果がタイシルク産業として国を潤し、趣味で集めた芸術も趣味で建てた家も文化財として後世に残っていく。理想的な生き方だな。