Sydney Tower


まだまだ南半球で一番高い建物らしい。高さ260メートル。500メートルを越える建物が世界のあちこちで建てられ始めているけれども、あくまで周囲の建物が低くて眺望が良ければ数字上の高さは要らないようにも思う。それよりも眺望が良くて、地面の人が認識できるぐらいのほうが眺望としては面白いんじゃなかろうか。展望台の楽しさは身の回りの等身大のものが豆粒のように見えるミニチュアリズム。
あそこに電車が走ってる
大きいと思ってたあの建物がこんなにちっぽけに見える
球場って上から見るとあんな形をしてたのか

右下には昨日載せたQVBの緑の屋根が見える。
500メートルの高さを誇ってもスモッグで視界が悪いとぼんやりとした景色が広がるだけになる。上海の高層建築なんてそんな感じだ。ドバイのタワーも遠くの砂漠を眺められるだけでは面白くない。あれは中からの眺めより外から見上げるほうが面白いように思う。
高層ランドマーク建築競争は展望台の観光としての魅力そっちのけのメートルスペック競争と化している。表現力を忘れたデジカメの画素数競争や安定度無視のCPUクロック数競争、ゲームの面白さを無視した画質競争のようなものだ。その点、シドニータワーの視界は広く、大気も澄んでいて青い空が広がる。そういう意味ではシドニータワーは楽しめる展望台だ。

依然としてビルに埋もれたタワーに落ちぶれてはおらず、どこからも突き出て目立つ。外から仰ぎ見ても中から見渡しても気持ちよい。

難を言えば一回$28AUDは高すぎる。これが600円ぐらいだったら本を持ち込んでカフェでのんびり読んだり、気分転換に手軽に眺めを楽しんだりできるのだが。