Dubai Jumeirah hotels


たいしたものだと思う。ドバイは昔は貿易港として若干栄えていた程度で真珠採取が主な産業だったらしい。その産業はミキモトパールなどにより壊滅している。大博打に出て石油採掘を始めたが、掘り当てるのに20年ほどかかったらしい。感嘆するのが、石油を掘り当てた当初から石油に依存しない経済を目指して努力を続けてきたということ。独裁や専制は年月を経て迷走しがちだが、ドバイに限ってはその気配が無い。その権力ゆえに徹底して極端な国づくりが出来、その先見の明によりここまで発展した。

国自体が非課税自由貿易国である。今や欧州ベースの企業がサービスセンターを置く様になっている。法人をドバイに作ってそこに肝心な収益プロセスを置いておけば、何かの不手際があったとしても税率0%なので問題がない。アジアにおけるシンガポール以上の存在かもしれない。アフリカ、中東、西アジアの金融の中心地ともなっている。

大型設備投資は王族がしきっていたりするのだが、Jumeirah Hotelの陣容も大したものだ。非常に設備の整った世界一のビジネスホテルとして名高いJumeirahEmiratesTowersを始め、アラビアの豪華な雰囲気に浸れる正統派で古趣のあるMadinaJumeirahのホテル、とびきりの贅沢を目指した7ツ星ホテルのBurjAlArab。。。どれもエッジが立っている。先入観に反して金襴悪趣味ではなくそれなりに魅力に溢れている。

ただ、箱の豪華さに比べて内容が詰まっているかと問えば疑問が残る。観光資源の歴史的蓄積があるわけではない。ドバイが旅行先として魅力的であり続けるためには砂漠の中にスキー場を設けたり、世界最高峰の競馬や、砂丘を4WDで疾走するアクティビティや世界一高いビルなど、話題性に欠かないぶっとんだものを作り出していくしかないように思う。アラブの雰囲気を安全かつ快適に楽しめる場としてはドバイは最適かもしれない。

多少の独占や専制も構わないからこのぐらい派手な日本文化特区を日本にも作って欲しい。アラブ様式の巨大なMadinaJumeirahのホテルがあるのだから、例えば姫路城のような巨大城郭5ツ星ホテルなんてどうかね。山口晃の画のような世界。天守閣スイートルームとか。高層ビルなのに白壁に瓦みたいな。外堀かと思えばそれがプールだったり。豪華絢爛江戸城のようなホテル。思えば、バブルの時期に日本はつまらん現代建築ばかり作ったものだ。遊び心がなくてつまらぬ。