国々の事情

弊社は世界を5つの地域に分けていて、ここドバイには北はロシアから東はパキスタン、西南は南アフリカ共和国までの膨大な国々の売掛管理や受注発注の機能が集約されている。

よって国によって全く商習慣や事情が異なるのが面白い。

ドバイやサウジアラビアは市場規模もさることながら税制優遇の恩恵もあって利益率が非常に高い。売掛管理のプロセスは万全とは言いがたいのだが、Distributorはどこも王族資本が入っている。中国同様に外資が単独で現地法人を設立することはできないそうで王族資本を入れないといけないらしい。この王族がとんでもない金持ちだからデフォルトリスクが限りなく少ない。多少の売掛回収が遅れていてもなかなか急かせないのが実情のようだ。精緻で迅速な売掛回収など相手は全く意味を感じておらず、こちらが文句を言っても「いくら金が欲しいんだ。10億か。ほらやるよ」みたいな対応をされるらしい。しかも力関係は圧倒的に向こうのほうが強いのでどうしても強く出れない。ゼロ課税率、ゼロクレジットリスク。細かいことで騒ぎたくない気持ちはわかる。

その一方でガーナやウガンダのような国は非常に外貨が不足しており、それにより売掛回収が遅い。現地通貨での売掛をドルに替えてもらって支払ってもらうのだが、政府を通じて換金してもらわないといけないらしい。しかし国家的に外貨不足なので換金されるのが180日以上かかることはザラにあるとのこと。

杓子定規な監査は通用しない。


写真はMall of the Emiratesの天蓋