ブリュッセルのBAR

泊めて頂く友人と三人で近くのBARに繰り出す。中途半端に早く寝るよりも疲れ切って熟睡し、翌朝行動を開始するほうが時差ぼけ解消につながるだろうとの狙いだ。

BARは奥にとても広く、手前では老若男女が丸テーブルに座ってビールを飲んでいる。中央にはスペースがあり、80年代ロックにあわせて踊っている人がちらほら。さらに奥にはビリヤードテーブルが広がる。

折角なのでベルギービールを頂いた。「黄金の谷」Orvalという名を持つTrappist修道院で作られるビール。琥珀色でアルコール度数はなかなか高い。ベルギーの代表的なビールブランドはそれぞれに形の異なる専用のグラスを持っているようで、必ずOrvalならOrvalと書かれたグラスに注がれて出される。300種類もあると言われるベルギービールだがなんとも収集癖を刺激する。

ビールを飲んだ後、奥でビリヤードに興じたのだがふと周囲を見渡すと子供が何人もいることに気づいた。親が連れてきているようで、自分らが飲んでいる間に適当に子供を遊ばせている。隣のテーブルには12,13歳ぐらいの少年少女が屯っている。年齢を考えると彼らは親についてきたわけではなく自分らで飲みに来ているようだ。皆、服装が随分とスレている。髪をワックスで立てた、白いシャツの男の子はたかが12,13歳程度。場違い甚だしい。その隣の女の子は14,15歳ぐらいか。胸元を大きく開けた露出の高い服を着ていて、Bitchyなメイクアップ。それにしてもその年で白人は胸がでかくなるものなのかという驚きもある。仕舞にはガキ同士でディープキスし始める始末。未成年の飲酒、喫煙、不純異性交遊。入り口のガードはただ立っているだけか。つまみ出してほしい。

友人曰く、ここらは低所得者階級が多いからだとのこと。それにしてもあの年からこんなBARで飲んだくれた大人の真似事して過ごしているとは。しかもそれを皆が許しているとは。欧米の「自由」ってやつもようわからん。欧州では鷹揚なようだが、麻薬、売春、未成年の飲酒喫煙なんぞを自由にして人は幸せになるのかねえ。Danielaと二人で、「あれは見ちゃいられない」と嘆いた。そんなうちらに友人は「バレンタインに一人だからって、いちゃついている餓鬼に嫉妬するな」と容赦の無いお言葉。

BARは未成年の来る場所ではない。気分が台無しだわ。