Sevilla Flamenco

SevillaはFlamencoの本場らしい。ロマと呼ばれる欧州全域を放浪する民が生み出したとされている。ジプシーという呼ばれ方のほうが日本では馴染みがあるかもしれない。ゲームのドラゴンクエストに出てきたジプシー姉妹の良いイメージしかなかったが、実際には良いイメージばかりでもない。ルーマニアにも大勢おり、ジプシーに抱いていたイメージどおり、街を移動しながら観光地で楽器を奏でたり踊ったり華を売ったりして生計を立てている人も多い。昔から定住せずに自由に国境を行き来していた自由の民であるから麻薬の輸送を担ったり繁華街で犯罪に手を染めるロマを問題視する国も多かった。ルーマニア政府がロマ定住化を勧めようとして公営住宅を提供したが殆ど利用されなかったなんて話も記憶している。真偽のほどはわからないが、全財産を携帯して放浪するので時の権力者に度々粛清され、財産を掻き集められて略奪されるようなこともあったと聞く。同じように虐げられておりながらユダヤ人ほどに定住しておらず発言力も無いのでさほど知られていないように思う。

そんなロマが生み出したからか。何かに駆り立てられるような、何かに突き動かされるような、少し悲哀に満ちたような音楽と踊りである。目を見開いて絶叫する歌い手、テンポが高まり続けるスパニッシュギター、何かに憑かれたように足を踏み鳴らす踊り手。40人ほどで一杯になる小さなタブラオで鑑賞したためもあるかもしれない。その勢いと迫力に呑み込まれた。よくわからないが力が沸いてくる。

少し翳のある旋律にアルゼンチンタンゴを思い出した。