土産物

チェコ琥珀ボヘミアングラス、ガーネットが有名らしい。中心地の至るところにそれらの店が並ぶ。緑の琥珀と橙色の琥珀が置かれている。緑のものも自然色なのだろうか。それとも色加工したものなのだろうか。蚊や蠅の閉じ込められたものが高価だったりするから面白い。生身の虫なら毛嫌いするのだろうが、宝石に閉じ込められていれば気にならないのか。琥珀は脆そうで割れかけたガラスのような様相が面白い。

ガーネットはプラハの印象に合う宝石かもしれない。一見すると黒にさえ見える。赤黒いというのが正直な印象。大きな石は光をさほど通さず薄っすらとボルドー色に鈍く光る。首飾りや耳飾などは小粒の石を無数に鏤めたものが多い。強い光線を浴びてようやくぼんわりと赤紫に光る。ガーネットはエメラルドやアクアマリンのように明るく輝く宝石とは対極をなす。明るく華やかなパリやバルセロナに対してプラハが陰翳の中で鈍く光る街のように。

土産物屋も見ていて楽しい。操り人形もプラハの名産品のようだ。木を削り出した質感、色彩、尖がった鼻と道化の衣装をした傀儡。これもお伽の国の登場人物さながら。

陶器の家々なんかも味わい深い。ただ、値段もそれなりにするので「自分だけのオリジナルの街を作ろう」などと店には札が貼られているが迂闊に手が出せない。

酒もなかなかロゴデザインの格好良いチェコビールに始まりチェコウォッカやツイカなど様々な酒が揃う。Absimthという緑色のアルコール70%もする怪しげな酒があるのだが、これがチェコ産の酒だということも初めて知った。

西欧諸国よりも安いとはいえ、気をつけなければすぐに金が無くなってしまいそうだ。チェコらしい物産が豊富にあって土産物屋を冷やかしてまわるだけでも楽しく時間を過ごせる。