ターミネーター サルベーション

軽く観れる娯楽作としては楽しかった。しかしターミネーター1で描き出した世界観、ターミネーター2で見た原爆のシーンや液体金属に変化するCGの衝撃的な映像に比べると何か過去の財産を消費しながら作っただけというか、ファンが作った焼き増しのような印象だった。

重厚感のある機械であり何度と無く立ち上がる不死身さが怖かったのだが、今作のターミネーターは比較的もろく壊れる。あれだけ大量生産されていながら、攻撃を仕掛けてくるターミネーターは数体。スカイネット本拠地は殆ど無人状態という違和感。あれだけ重火器がありながらなぜ肉弾戦を挑んでくるのか。その怪力で頭を握り潰すなり体を刺すなりできようものを、持ち上げて投げ飛ばすなんて優しいものだ。不合理な美学をもっているとしか思えないような機械らしからぬ非効率さ。わざわざ人型に作って白兵戦で攻撃させるなんて、人型ロボットに拘るガンダム世代ぐらいなものだ。そういえばターミネーター2の液体金属ターミネーターはどうしたのか。

あんなものが何千体も攻めてきたらストーリーが成り立たないだけなのだろうが、随分と軽く仕上がったターミネーター。気分転換にはなったか。