白夜行

日曜の朝、先輩にお誘い頂いていたバドミントンを寝すごす。8時からの約束にも関わらず起きたら9時半。最悪。正直愉しみにしていただけに残念。これではいかんと思い、ジムに泳ぎに行きその後プールサイドで東野圭吾の「白夜行」を読み出す。

作家が男だからだろうか。どうも殺人の描写に比べてレイプの描写が多いように思う。作家本人の暗い側面の表れなのか、商業的にウケる刺激として盛り込まれているのか。人間の負の側面を描くことを目的とした物語なわけであるし、残念ながら世に溢れた犯罪だから一般的な歪んだ欲望の発露として描くのはおかしなことではないのかもしれない。

女性主人公の人生を狂わせ心を失った原因でありながら、平然と親友や義理の娘に同じ目に遭わせられることも含めて傷の深さなのかもしれないが。人の尊厳を失わせ、自暴自棄にさせ、心を蝕む。傷は癒えることなく、傷があった場所を忘れることができるだけ。そんなふうに書いてあったか。それにしてもここまで盛り込まないと話が成立しないものなのか。ノワールだかなんだか知らんが、しみったれた冴えない坊主頭の天才数学者の純愛と犯罪を描いた「容疑者Xの献身」や兄弟2人を描いた「手紙」のほうが好きだ。

世の中の所々に開いている落とし穴。落ちるかどうかはもはや運任せに近く、運悪く落ちれば人生が狂う。自分に子供ができたとして、無事に育て上げるということが難しい世のように感ずる。