シンガポール

シンガポールはドバイのような印象を受ける。
何から何まで輸入に頼っている。牛肉も野菜も工業製品も。多国籍企業や移民の都合の良い側面をうまく巻き込む国造りに成功しているのだろう。失業率が高まれば即座に移民を追い出すことに躊躇いが無いし、麻薬のような違法行為は即死刑、それ未満の違法行為は国外に放逐すれば良い。シンガポールの諸企業は周辺諸国から優秀な人材を直接採用しており、能力主義で自分に自信がある者を集める。豪州からも日本からも中国からも機能性やコストパフォーマンスに優れた商品が集まる。アジアのど真ん中という地理的な優位性を存分に活かして、アジアにおける存在感は大きい。

シンガポールに住む友人に話を聞くと、シンガポールに住む人々の志向は些か物質的らしい。文化慣習や人の繋がりは薄く、そのかわり良い住居、良い暮らしへの執着が強いと言う。家族と過ごす時間が第一なフィリピン人に言わせれば、シンガポール人やシンガポール移民からはプール付きの都心のコンドミニアムに住み、シンガポールでは非常に高価な車に乗り、周辺のビーチリゾートで休暇を取ることへの憧れを強く感じると言う。

成功や環境の向上を目指して、朝夜2職をかけもって働いている人も多いらしい。東南アジアからの移民にとっては、そうしないとやっていけないほど物価が高いということでもあるらしい。いづれにしろ活気のある国だな。10年前なら住みたいと思ったかもしれない。