米国の日曜大工

米国人に嫁いだ神戸駐在時の日本人の友人が奇遇にも小生の勤める会社の本社のある都市に住んでいるので、お宅で晩御飯を御馳走になった。

外壁は煉瓦で煙突のある童話の家のような印象。中には暖炉があり、木目の床が貼られ、冬の寒い日とお爺さんとクリスマスが似合いそうな、そんなことを思った。内装は奥さんの趣向だろうかお洒落で綺麗にされている。

感心したのが旦那がかなり日曜大工をやるらしく、床の張り替えや浴槽のタイル張り、水道管の取り換えなど全部自分でやったらしい。台所の備え付けのキャビネットボードも表面を削り直して木目を鮮やかにし、さらにニスを塗って刷新している。施行の技術レベルは素人目には業者と変わらない。家のことは自分でやるということに何かとても新鮮な感動を覚えた。

夜、テレビを見ていても通販番組では日曜大工道具を扱っている場合が多い。ダイエット器具、日曜大工道具、台所用品。王道な品揃えだが中でも、日曜大工道具は明らかに男性がターゲットだ。ビスケットを用いた接続はもう古いだの、何々式接続法だの、そんなのが延々と紹介されている。昼間に書店を見てみればインテリア関連の雑誌が非常に多いことも驚く。雑誌を開けばタイルの目録、床材の目録、どこぞの内装の紹介などまるで業界誌。

おそらくは米国人が生涯に自分の家族構成や収入に合わせて住む家を転々とする習性もあるのだろう。引っ越すときにはできるだけ高い価格で売りたい。昨年以降事情は変わったかもしれないが住宅は投資の対象でもあった。しかし業者に頼むとお金がかかるから趣味と実益を兼ねて家周りは極力自分で手を入れるというように自然なったのかもしれない。友人が投資や実益から日曜大工をやってたとは思わないが、日本に比べて趣味としての日曜大工に親しみやすい環境が整っていることは確かだと思う。

自分で思い描くことを材料を使って実現できる技術力があればそりゃあもう楽しいだろうな。

それにしても台湾出張、米国出張が続くので束の間の日本食手料理はとても美味しかった。御馳走様。