銃撃戦Green Belt5にて

日曜日の14時過ぎ、高級ショッピングモールGreenBeltの中でもとりわけ高級ブティックが集まるGreenBelt5のロレックス店に強盗が入り銃撃戦になったとのこと。
なんでも犯人は爆弾処理班の制服を着ていたので、それで検査にひっかからず素通りできてしまったのだそうだ。本当かね。冗談のような本当の話。まあ、モールの警備なんてバッグの口を開ける素振りすら見せればバッグの中などチェックもしない警備だ。銃撃戦に駆けつけなかった警備員も多数いたそうで、警備体制に疑問と批判がぶつけられているとのこと。
銃撃戦を聞きつけて、たまたま付近に居合わせたタギグ市長のボディーガード2名が参戦。犯人一人を射殺したと言う。しかし犯人はM14、M16 アサルトライフルグレネードランチャー武装しており火力で上まわっていて圧倒されたそうな。ここは内戦国か。

警備は「無力化されていた」という、アヤラからのよくわからない弁明が伝えられている。警備員が殺されてしまって無力化されていたなら仕方ないが、重装備を目の当たりにして腰を抜かしてやる気が無くなるのも「無力化」に入るのだろうか。

武装強盗は計11人でそのうち女性が1人。犯人は1人射殺された以外、他は被害総額不明の時計を強奪し、トヨタカローラホンダシビックで依然逃走中。このまま犯人は逃げ切るのか、どこかで逮捕劇の銃撃戦が再び起きるのか。いずれにしろ怖い。
付近のウェイトレスと通りすがりの買い物客が巻き込まれて怪我を負ったとのこと。GreenBelt5は当面閉鎖。日曜日の昼過ぎのことである。運が悪ければGreenBeltのレストランで食事をしてたかもしれぬし、運が悪ければ流れ弾に当たっていたかもしれない。単に運が良くこうして無事にいる。
他の日本企業駐在員の話を聞くと、車は自分で運転することは禁止。ジプニーはもとより電車やタクシーなどの公共交通機関は安全上の理由から全面利用禁止らしい。我が社はというと会社が運転手を斡旋してくれるわけではなし、一切自由だ。有事の危機管理も、もしかしたら日本企業のほうがしっかりできているのではないだろうか。

パキスタン出張、行きたく無い。ほんまに。観光に出られないらしいし空港、オフィスの送迎もボディガード付きらしい。

ならば、こんなことが既に起きたフィリピンからなりふり構わず帰国するのかと言うと、そうもできない。怖いねーなどと言いながら、自分には降りかからないと心のどこかで盲信しているのだろう。
銃撃戦に合う確率は実際には低いだろう。しかし遭遇した際の結果は致命的だ。そんな低確率だが結果が甚大な賭けを目の前にすると、どうすべきかわからなくなる。人間ってやつは低い確率だけど一攫千金を夢見て宝くじは買うくせに、低い確率だとたかをくくって危険には対処しない。考えがお目出度いのだな。自分自身も有事に当たってなんの行動判断基準も覚悟も持ち合わせていない一般庶民なのだということが、よくわかった。
命を天秤には掛けれない。何かがあった後では遅いのだが、かと言ってフィリピン人は依然として働き続ける中で、自分だけ危ないので去りますとも言えまい。危険が迫っても、集団真理で逃げ出せずにいるレミングスというか、温められる鍋の中の蛙というか。

結局、運は天任せにして、次のフィリピンリゾートへの旅行計画に想いを馳せる始末。