13日の金曜日

金曜日の中でも13日といえば特別な日。イベント事の好きなフィリピンとあって、Power Plantのテニスコートの上でホラー映画上映会をやっているとのことなので、マンゴーをつれて覗いてみた。

コートの中央に巨大スクリーンを設置し、コートにマットと大量のクッションを敷いて寝転がりながら観る。やはりカップルが多くて映画そっちのけでいちゃついているのは致し方無い。小生の好きなフローズンヨーグルト屋が出張してきており、コンドミニアム住人は入場料無料でアイスクリームが食べ放題。残念ながらフローズンヨーグルトはなかったが、バニラアイスを舐めながら映画を鑑賞する。マンゴーもスピーカーからながれるオドロオドロシイ不協和音に興味津々のようだったが、大人しくしてくれていた。

ところで、上映された映画は「13日の金曜日」というそのままの映画なのだが、クリスタルレイクを舞台に猟奇連続殺人が行われるというもの。あの有名なジェイソンの登場するシリーズ一作目である。

正直言って退屈だった。殺人シーンが残酷で目を背けたくなるような映像。ホラーというよりはパニック&サプライズといった言葉のほうが当て嵌まる。ハラハラするシーンはあれど、背筋がぞっとするような寒気を覚える恐怖は無い。

昼間、会社の子と昼食を食べながらホラー映画の話をしたのだが、フィリピン人一同、日本のホラー映画が一番怖いという。映画館を出た後も怖さが後を引くというのはハリウッド映画にはなかなかないらしい。リング、呪怨なんかが筆頭に上がる。

  • ビデオ、携帯電話、カメラなど誰もが持っている物が重要な役割を果たす
  • ドタバタと逃げ惑うハリウッド映画に対して、えてして日本のホラー映画は背景音楽が静かで忍び寄る恐怖を描く。
  • ハリウッド映画は訳もわからずに理不尽に殺されていく恐怖を描く場合が多いが、日本のホラー映画は呪いや怨念が背景にあり、何故殺されるかが明らかにされる。
  • 残酷な目に遭って非業の死を遂げていたり、呪う側に同情すべき理由がある。そしてそれはともすれば観客が実社会で加害者側になりうる理由である。
  • ハリウッド映画の殺人鬼は大抵表情が読み取れない。日本のホラー映画の怨霊には憎悪の表情がこれでもかと表れる。

行き着く所は「現実味」ということか。全く後ろめたいことの無い人などおるまい。事情を知らずに誰かにきつく当たってしまったり、虐めに対して無関心を決め込んだりしたことはあるかもしれない。自分が追い詰めた当事者ではなくとも、その後その相手が関わった全ての人を呪いながら自殺していたら。。。

「悪気はなかったんだ」
「おまえも一緒だ」