ドッグフード

ぺディグリーのウェットタイプは高蛋白高脂肪なので、今のマンゴーには与えないよう指示を受けた。犬にとっても高蛋白高脂肪は「美味しい」のだろうが、腎臓や腸などの消化器系には負担なのだと言う。DOG&CATの獣医師はそんな助言は一切くれなかったが。

ちなみにフィリピンに入ってくるドッグフードはタイ製が多く、以前台湾で腎臓疾患で死亡する犬が急増したことを受けて捜査がされ、ぺディグリー社のドッグフードが2004年に大量リコールされている。2005年にはサイエンスダイエット社のものもリコールされている。フィリピンでは賞味期限の切れた商品を詰め替えることも多い為、安価なドッグフードは注意が必要だとのこと。冷房の効いたスーパーでできればタイ製でない有名ブランドのものを購入したほうが良いようだ。
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ちなみに厄介なのは、どこのメーカーのものが安全とは一概に言えないことだ。2007年に米国で起きた中国を原因とする大規模リコールからもその理由がわかる。

この事例の主は、メニュー・フーズ社という北米最大のペットフード製造会社で、米国の小売メーカーの上位20社のうち、17社の製造を受け持つほどの製造委託会社(OEMメーカー)である。リコールの原因はメニューフーズが中国から輸入した小麦グルテンにメラミンが混入していた為である。メラミンが混入されていた理由は、メラミンを混ぜると原材料のタンパク量(窒素含有量)が多く計測され、品質を良く見せかける事ができるためとされる。また、同様の理由でシアヌル酸という物質も意図的に混ぜられていた可能性が高く、両物質の相互作用で意図しない致命的な腎臓障害を起こしたとのこと。
CNN Mix of chemicals may be key to pet-food deaths http://www.cnn.com/2007/US/05/01/recall.riddle/index.html(2007年5月2日)

巨大OEM企業がそれぞれの小売メーカーの製品フォーミュラに従って製造しているだけなので、そのOEM企業が一括大量購入している原料に問題があった場合は壊滅的なわけだ。ユーカヌバ、アイムス、ぺディグリー、サイエンスダイエット、ロイヤルカナンナチュラルライフなど著名なブランドは皆何某かリコールされている。完成品となった商品に対しての品質検査もされているのだろうが、見たまま漏れがあったようである。これは正に生産部門における内部監査で扱うべき対象でもある。小生は販売促進プロセスが専門だが、近年増加し続けるアウトソーシングに対してどう主体事業会社として責任を持って監督するかと言う厄介な問題でもある。

食の問題は犬猫のほうが人間より軽視されがち。人間の食品の安全性ですら、知れた程度なのだから、なんとも心許無い。