鳩胸好きの小狡るい鳩

芸能人や政治家の類は直接知っているわけでく、メディアを通じた断片的な情報に偏る人達なのでセルフブランディングが非常にしやすくもある。米国大統領選なんてものはそれはもう周到に意図的に戦略的にそれを行う。

自民党鳩山邦夫総務相なんて人も、最初は自説を曲げずに実行に移す政治家だと思った時期もあるが、今では癪に障る好かん政治家の一人になってしまった。

彼は最近、母親から数億に上る巨額の贈与を受けていたことを認め、党役職の辞表を提出したのを受けて、党本部で記者団の取材に応じ、「贈与と判断されたら贈与税を払うという言い方は男らしくない。一国の指導者はもっとけじめをつけて、潔く振る舞わなくちゃ」と述べ、政治資金管理団体の偽装献金問題への首相の対応を批判するとともに、首相を辞任するよう求めた。なぜこの男は、自ら脱税した非を棚に上げて、兄あるいは首相の批判をしているのだ?贈与であったことを即認めて党役職を全て辞任する自分は潔い男、そうでない兄は男らしくないという構図を作ろうとしていることにチンケさを感じる。

彼は似たような発言を繰り返している。「私は竹を割った性格だが、兄はアメーバだから、なかなかうまく動いていく」と発言したり、2009年8月には「私は清潔な白いハト。もう一羽ハトがいる。私の兄だが、政治資金収支報告書がウソばかりだから黒いハト」と発言している。

彼は旧郵政関連資産の売却や東京中央郵便局再開発、日本郵政の西川社長の進退などを巡って自分の主張が通らないと見るや、思いのほかあっさりと辞任した。いや、形式上は首相による罷免だったか。「間違った判断を受け入れるぐらいなら辞める」という一見その場だけ見れば潔いようだが、彼の断片的な情報を繋ぎ合わせると、政治家として清濁飲み込んでより良い社会の仕組みを実現させるというよりも、その場での「竹を割ったような清潔な鳩」である自分の主張を守ることを優先したように感ずる。

自民党与党時代にそんな形で閣僚職を辞任している上に、自民党が野党に堕ちた今、巨額の贈与に対する脱税を咎められて残りの党役職を辞任したとて、名前だけの実行力を持たなくなったものを捨てるだけの話で、それを潔いなどという方便に使われては困ったものだ。面倒になっただけの雑務をここぞとばかりに放棄しただけの話では無いのかね。そして事あるごとに兄を貶め自分を持ち上げる。卑小だ。ケツの穴が小さいというか詰まっている。

法相を勤めた身でありながら、草序イ剛が公然わいせつ容疑で逮捕された際には「めちゃくちゃな怒りを感じている。恥ずかしいし、最低の人間だ。絶対許さない」などと度の過ぎた批判を公に放った。そんな彼は巨乳好きで有名らしく、鳩胸女優を嫁にもらい、事務所女性スタッフは巨乳美人が揃っているとは知られた話。まあこれは彼の嗜好でとやかくいうことではないのかもしれんが。もちろん巨乳を好くことは公然わいせつではないけれども、自分に照らして他の人の人間臭い粗相にも寛容さを示しても良いと思うのだが。

ちなみにフィリピンに絡んだ事としては、こんなこともある。鳩山邦夫は、蝶コレクターとしても著名らしい。2006年12月、公用ビザでフィリピンに入国し、同国の自然保護区「パライパライ山系マタアスナグロド国立公園」に入った。同地区ではチョウの採取は禁じられているが、フィリピン在住のチョウ収集家の男性、日向博美に蝶の採取を依頼している。不幸なことに捕虫網が高圧電線に触れる事故が起き、日向氏は感電して入院。手術で両足ひざ下を切断、脳外皮損傷部を切除して翌年、多臓器不全で死亡。鳩山は「チョウの観察をしていただけ」と説明しているが、捕虫網を持っていたことについてチョウの違法採取を行っていたとの疑惑が持ち上がっている。公用ビザと地位を悪用した公私混同。自民党動物愛護管理推進議員連盟の会長や民間の愛護協会の役員を務めていた一方で、財力と権力に任せて希少で美しい蝶の所有欲を満たしていた姿が透けて見える。

今では志のない秀才馬鹿なのではないかと思っている。政治理念の実現よりも、職業としての政治家を続けながら自分の生き方が如何に清廉かを主張しようとしているだけの。

まあ、実際に何をしているのかは知らんけど、議員辞職した上で日本ドッグパーク普及協会 - 名誉会長としては頑張ってほしい。