浅草「龜十」の銅鑼焼き

昔、雑誌BRUTUSの特集で「日本一の手みやげはどれだ!?」というものを読んではいたが、ここが和の焼菓子部門で一位に輝いた品がある店だとは思い出せなかった。浅草雷門そばの和菓子屋「龜十」。店構えに風情は無い。味はたいしたこと無いクセに観光客頼みで商いをしているような店にしか見えない。

しかしそこの銅鑼焼きを見ると、「おっ一風変わっているな」と思う。表面が凸凹として焼き目も均一でなく大判である。しかし口にするや、ふんわりと柔らかく簡単に腹に入ってしまう。日本一かは知らんが、確かにそこらの銅鑼焼きではなく、「あ、これはひょっとしてあの店の?」と気付くような個性がある。銅鑼焼きには白餡と黒餡があるがやはり黒が旨い。

1個315円と少し値が張る。しかも賞味期限が短いのでフィリピンに持って帰る事は叶わない。その不自由さがもどかしい。10個も買ったのに、もう旨すぎて写真を撮ろうと思った頃には一欠けらしか残っていなかった。