大遅刻の凶日

チームの子が一味違う京都を味わいたく、是非大徳寺の兄貴分に会いたいというので、忙しいところを承知でお邪魔させて頂く予定でいた。

前日は遅くまで飲んでいたのだが、朝の9時に京都駅にて待ち合わせる約束をしていたので、床から身を引き剥がすように7時に起きて神戸から向かった。やはり折角だから日本で良い思い出を作って欲しい。日本を案内するのは自分の役割だという思いもある。

しかし薄々危惧していたことだが、9時になっても集合場所に姿を現せない。20分まで待っても現れないので京都の宿泊先ホテルの番号を聞き、公衆電話を探してかけてみた。部屋に繋いでもらったところ、彼氏が寝ぼけた声で電話に出て「○○と変わろうか」と抜かしよる。

カッと頭に血が昇った。

どうしても京都を案内して欲しいからと頼まれたので神戸から1時間かけて来たのに、京都に泊まっている彼らが待ち合わせ時間をすぎてもホテルにいるとはどういうことだ。何よりも忙しい中、お寺にお邪魔するお願いをしておきながら行かないなんて先に迷惑をかけることになる。時間のルーズさで片付けられる範囲を超えてやしないか。

結局1時間寒空の中で待ちぼうけ。そして随分と遅れていったものだから法事の直前にお邪魔することになり、なんとも申し訳ない事態になった。早く行ければ座禅をしてみたり、般若心経を読経して頂いたり特別な経験をさせて頂けたかもしれないのが残念。

せめてもと思い、裏口から勝手に失礼して柴犬のアルを紹介した。日本の犬は評判が良い。住職夫人に是非お昼にお寺の精進料理を食べていきなさいと誘って頂いたのだが、残念ながらこのなんとも魅力的なお誘いも辞退せねばならんかった。朽ち惜しや。

まさか、これも凶と末吉を御神籤で引いた結果ではなかろうな。