永楽権

うまいなあ。うまい。


単に玉葱であったり、舞茸であったり、ズッキーニであったり、一夜干しであったり。しかし単純で繊細なものほど良し悪しが如実に現れる。

ちなみに、ここで出される器もどれも選び抜かれたシンプルなもので良い。お玉も真鍮の打ち出したものでフォルムが美しく、持ち帰りたいほどだった。

芦屋にある席数12ほどしかない小料理屋。調理してくれるのは30代前半と思しき若旦那。客との距離の近さも良い。

さほど酒は飲まなかったので、一人4000円ほど。これなら特別な日ではなくともこれる範囲か。こんな店の近くに住みたい。会社から疲れて帰る際に、ふと美味いもので息を吹き返す。

音楽に人を元気にさせる力があるように、美味い食にも力がある。そういう何かを提供する側になりたい。