文化的興奮

フィリピンは好きだが、見解まで捻じ曲げるつもりは無い。

フランスやスペイン、モロッコ、トルコ、メキシコなどに比べてフィリピンには豊かで魅力的な文化に乏しい。今更強調するなという人もいれば、たかが2年弱で何がわかると強固に反論する人もいるだろう類の話だ。全くの主観と好みの話だ。

文化が無いとは言わない。理屈を言えば、ジョリビーだってアメリカナイズされた生活スタイルだって文化だ。しかしそれらにワクワクすることは滅多に無い。

数えるほどしかない小奇麗で個性的なホテルの為にマニラから2時間車で出て行く必要があったり、かつての文化遺産を見るためには首都のたった一箇所の史跡や博物館に行かなくてはいけなかったり。ここ数十年で始った各地の踊りや祭りが、ハワイで見られる各国の民族舞踊とどれだけ違うかなんて、歴史や環太平洋文化に造詣が深いわけでもない小生にはわからない。

フィリピンにだってここにこんなものがある、あそこにはあれがあるという擁護がどうにも、フィリピンに住んでいるからフィリピンを必死に弁護しているようで、魅力の乏しさを強調してしまう。フィリピンに強大な王朝なり目ぼしい文化の中心地が無かったのは仕方のない事実なのだから。

人は陽気だし、遠く離れれば自然景観は見事だし、フィリピンならではの良さはたくさんある。そんなことは言い訳がましく念を押さなくても良いのだろう。しかし将来長く住むならば、自分にとって文化的魅力のある街に住みたいと思った次第でもある。そんなことをたった数日訪れただけの観光客に思わせるほどにフランスには溢れていたという話。

こういうのを岡目というのか、海向こうの芝生は青い。