Mango at Sonya’s Garden

ブリュッセルからの出張の疲れを癒すべく、愛犬を伴ってソニア婆さんの人気の宿泊所へ。実はソニア婆さんは大の犬好きで、犬同伴は大歓迎なのだという。

かつてTuwinaというヨークシャーテリアを飼っていたようで、ソニア婆さんのおそらくは自費出版本である豪華装丁ソニアズガーデン紹介本の出版会社はTuwina&Poophieとされているぐらいだ。



案内された部屋の目の前にはヨークシャーテリアの顔とTuwinaの銘が掘られた木の板が庭の中に植えられている。さてはこれ、犬の墓標なんではなかろうか。なんとも少女趣味なお花畑に囲まれているとそのまま流してしまいそうだが、客室の前に墓か、と突っ込みたくもなる。自宅を友人に開放したのが宿の始まりだそうだから、ソニア婆さんの勝手ではあるのだけれども。





相変らず草花が刺繍縫いされたリネンはなんとも少女趣味だったが始終全開にされた網戸付きの窓からなんとも心地よい風が吹き込んできて、夜の10時には寝入り、翌朝8時まで熟睡することができた。



構って欲しいマンゴー

構わずにDSをする嫁さん



さて、愛犬マンゴーはTheFarmとSonya’s Gardenのどちらのほうが御気に召したのか。それは聞いていないのでわからない。TheFarmは広い敷地の中を人のいない時間帯を見計らってノーリードで存分に走らせることができた。しかしSonya’sはそこまで広くは無いし生い茂った花壇が多いので容易に迷い込みそうである。一方でSonya’sは多種多様な草花が密集し、クンクンとしきりに匂いを嗅いで楽しそうであった。Sonya’sでのほうが部屋から出たがっていたようにも思う。残念ながら、TheFarmでは孔雀に追い回され、Sonya’sではソニア婆さんの飼う巨大ラブラドールに終始萎縮気味だった。野太い声で吠えるラブラドールに対抗して、嫁さんと自分の間に身をはさみながら室外には聞こえないような声で珍しく「ウォフ」と控えめに吠えたマンゴーは、愛しいような情けないような哀れさを滲ましていた。

犬を連れて行けると飼主も後を憂うことなく寛げるので助かる。