ココナッツハット

椰子ってのは素晴らしく万能だな。

気候さえ合えば砂浜ですら生育するし、椰子の実の汁は喉を潤し、白い果肉はココナッツミルクとして食べられるし、殻の繊維は断熱材になったり加工して器になったり。幹も建築材に使ったり様々。椰子の繊維は服にもなる。椰子のヴァージンオイルは化粧水になるし、炎症を抑える薬にもなる。葉も屋根を葺くのに使われるし、こんな楽しい用途にも。

葉の筋が黄色なのでそれが網目を強調してくれる。中央部分がなんとも幾何学的で美しい。こんなんをものの10分で作ってくれる。なんとも器用だこと。

秋の京都には紅葉があって欲しいし、ギリシャにはオリーブの木が欲しい。同様に南の島に椰子の木が無い景色を想像するとそれはなんとも寂しい。しかし景観の寂しさに留まらず生活への影響は計り知れない。椰子ほどに活用度の高く衣食住に使える植物は他に何があるだろうか。竹ですら工芸、筍としての食用、住居の建材としての活用は思い出せるが、竹を衣服に使っているなんて話は聞かない。実際に行われていたとしても非常に手間がかかるか、いずれにしろ普及はしていないのは確かだ。

ちなみにモミジには観葉植物以外の用途があるのだろうか。
北米のサトウカエデ、いわゆるブラックメープルからはメープルシロップが取れる。日本のイタヤカエデからも樹液を濃縮して砂糖が取れるらしい。大阪箕面や嵐山、高雄なんぞに紅葉の天麩羅があるらしい。美味いのだろうか。しかし一年も塩漬けにして灰汁抜きをして初めて天麩羅に使えるとのことなので、強引に食べている感は否めない。イロハモミジなどは結局観葉用途のみなのだろうか。