油断

30本ほど潜ったという方と船をご一緒したのだが、彼はアドバンスも既に取得したとあって、先週上級者の人たちに加わってドロップダウンのポイントで44メートルもの深深度潜水をしてきたそうだ。視界はもう薄暗く、怖くてダイブマスターの半径3メートルを離れなかったという。

レジャーダイブの限度は30-40メートルだと習ったのだがどうもフィリピンは緩いようである。ちなみにオープンウォーターの潜水限界は18メートルであるのに、平然と今日は25メートル潜りますなどと案内される。

話を戻すが、上級者のグループの中には1人年配の方がおり、久しく潜ってなかったこともあって緊張で呼吸が乱れてしまったらしい。そして深度40メートル前後で残空気量をチェックしたらメモリはゼロ付近。エア切れを起こしていることに気付いたという。そんな深度で突如空気切れを伝えられたダイブマスターもかなり焦っていたそうだが無理も無い。

ダイブマスターが常に誰かのエア切れを想定して、5メートルまで浮上して5分ほど安全停止するための空気を二人分も残しているわけはない。幸い他に5人ほどバディがいたので、周りから借りて事なきを得たようだ。しかしそれにしても想像するだけで恐ろしい。運が悪ければ死にますな。こまめに空気残量は確認するようにしよう。