マンゴー誕生日

5月15日をもって目出度くマンゴーは1歳を迎えた。真贋のほどはわからないチャンピオンドッグを父に持つという純血種証明書の記録によるとだが。

嫁さんが日本食料品店Hacchinで日式ストロベリーショートケーキをホールで頼んでくれていた。チョコプレートにはHappy Birthday Mangoの祝辞、その横にはテディベア。残念ながら犬用のケーキはフィリピンでは手に入らない。人間用の高脂質で甘いケーキを犬に与えるわけにはいかないので、そこで飼い主だけで祝わせてもらうことにした。許せマンゴー。

電気を消し、1本の蝋燭を燈し、歌う。最後まで床に置かれたままではあまりなので、膝に抱き上げ、飼い主が祝うための飼い主用のケーキを見せる。うむ。日式は甘すぎず美味しい。飼い主だけが楽しんでは申し訳ないと感じ、クリームを指にとって舐めさせてみた。

都市伝説のようなものかと思っていたが、こうやってバター犬はできるのか。今までに見せたことのない勢いで指を舐める。舐め続ける。もう一掬い指にクリームをとって頭上にかざすと、鼻を聞いたことも無いような勢いでフンフンと鳴らす。左の指を近づけてもさほど反応しない。綺麗に舐め取ったはずなのにクリームをつけた右の指を近づけると再度フンフンと鼻を鳴らす。マンゴーのやつ、こんなに嗅覚が鋭かったのか。興味がないから今まで本気を隠しておっただけか。

我が家に来てもう9ヶ月近くになる。最初はプードルなんてブルジョワな香りのする洋犬なんぞとも思ったが、間が抜けた顔には愛着がある。まだまだ顔付きには幼さが残るように感じるのだが、犬は1歳で成犬となるらしい。もしかしたら去勢したこともあり、オスとしての身体的特徴が現れにくいようなこともあるのかもしれない。無事に1歳を迎えてくれてとにかく嬉しい。