ポーランド監査終了

水曜日から再びラトビアからポーランド主力監査部隊に合流し、金曜日まではひたすら追い込み。

なにせ中欧北部支社の社長が怖いのなんの。内部統制に対する意識が高く、マーケティングディレクター、営業統括ディレクター含め、幹部、中堅クラスが皆熱心に議論に加わる。上からのプレッシャーが透けて見える。

しかし単に上からのプレッシャーをかけられているからやっているというわけでもなく、どう内部統制を効率化するか真剣に取り組む姿勢が現れていた。そもそもプロセスオーナーはマーケティング、営業部署であるのに、主要な会議にはファイナンスしか出てこないような組織が多いのがおかしいわけで、彼らが本来あるべき姿だとも言える。内部統制をファイナンスの仕事と見做していること自体内部統制の意義が理解されていない。もしくはファイナンスのプレゼンスが低いとも言えるのではないか。

プロセスの説明もプレゼンテーションが周到に用意されており、相手の英語が流暢でなくとも正しく効率的に理解できた。リクエストの直後に素早く不明な点を確認してくれるので、期日直前に質問をしてきて監査サンプルが間に合わないようなこともない。おかげで監査人もそれぞれ十分問題を掘り下げる時間があり、些細な勘違いや見解の不一致も事前に解消できた。議論すべき改善点に絞り込めたし、営業支払いシステムの効率的な運用の為の変更提案や10項目以上の作業効率化案もみつけられた。

プロセス説明や監査サンプル収集など監査チームが必要なものを迅速に提供するかわりに、効率化の改善提案や掘り下げた内部統制評価に対して強烈なプレッシャーを与えてくる社長のアプローチは非常に正しい。必要なものを全て出してくれる以上、こちらも相応に応えなければならない。何より真摯に取り込んでくる相手に対してこちらも精一杯応えたくなるのは心情。

年末年始の忙しい時期に相手の要望に応えて監査したにも関わらず、その背景を知らない人が多く忙しい時期にこられて支障を来たしたと散々文句をつけられたアジアの監査と比べると対応に雲泥の差を感じる。その監査は月曜が祝日だったこともあり現地監査日数が4日しかとれなく、監査人の現状理解すらいまいちだったので監査監督の意義があまりない。改善点の吟味すら中途半端で終わった感がある。あのような監査は双方にメリットがない。

相手側組織の監査へのコミットメント次第で監査はお役所仕事にも、非常に有効な内部統制強化と効率化のきっかけにも化ける。今回は中欧支部社長の高い意識と強力な指導力に負うところが大きかったが、どのようにそのような環境を整えられるかは大きい。これは各組織だけではなく内部監査部門も当然働きかけていく必要のあることでもある。