8年ぶりルーマニア

折角ポーランドまで出張できたのだから延長してルーマニアの友人の顔を見て帰る予定を組んだ。大層、大層、言葉にならぬほど世話になった友人。人生の中でも最もインパクトのある期間であろう半年間を共に過ごした友人である。

空港にはニコラエが迎えにきてくれた。今はルーマニアのテレビ局でブランドマネージャーをしている。あれが国立劇場、ここが美術館と案内してくれながら車を走らせる。最近の流行から社会問題、音楽の流行などアンテナの広い彼らしく様々な話を聞かせてくれる。今だ若々しく太ることもなく溌剌としている。職場でも優秀なのだろうな。ティミショアラ出身の彼女とは3年付き合っているという。

彼にはよく遊びに連れ出してもらった。トミスの港の脇にある砂浜ではよく裸足でサッカーをした。そしてその後は決まって浜辺の脇で皆でビールを飲んだ。冬になると氷点下になるので、酒場に直行してビールを飲みながらとりとめもなく話をした。

それにしても前回ブカレストを訪れたのは秋以降だったからだろうか。曇天の下、街は灰色で鬱々とした印象だったが、今回は明るい陽差しの中でみるブカレストは快活としていた。Nicuが案内してくれたので素敵なところばかりまわってくれたのだろう。オープンテラスが立ち並ぶ道沿いにはパリを髣髴とさせる古めかしい建物が散在し、ブカレストがバルカンのパリ、東欧の真珠と呼ばれた時代があったことを思い出した。チャウシェスク共産主義時代に取り壊さなければ強力な観光資源になっていたであろうに。


まだ修繕が行き届いておらず、お洒落な店の脇は廃墟だったりもするがリフォームが一巡すれば素敵なカフェバー通りになるに違いない。この6月の明るい陽射しの下、再度ブカレストを歩いてみたい。

あれ。おまえ8年前に見かけたな。俺様にサツアイに来るとはわかってるじゃねえか。

さあ、俺に倣って一緒に転がってみろ。ごろーん