堕ちていこうとも日本が好き

今まで50カ国以上の国地域を曲りなりにも見てきた。ユーロトレールや世界一周チケットで半年の間に何十カ国も忙しく通り抜けていくような旅だけではなく、10カ国ぐらいはそれなりに時間をかけて見たと言えるかもしれない。通算7-8年は国外で費やしている。

無論主観であることは断っておくが、結論として、日本より良いと思える国は無い。ここに数年住んでみたい、この国のこういう部分に憧れるというのは無数にあるが、人生の多くを費やし、そこで老後を過ごしたいと思える国は他に無い。

しかしその日本は今よりは経済的には衰退していくように思えてならない。

  • 支出91兆円、税収37兆円の差額を借金で賄う支離滅裂な財政。特別会計はどうなってんだろう。
  • 地方自治体の財政も多くが破綻気味
  • 自動車、家電、精密機械等の主幹産業で低下しつつある国際競争力。
  • 外交におけるプレゼンスの無さ
  • 人口構成の変化についていけない福祉社会保障
  • 産業の空洞化、派遣社員の増加による労働力の質の低下
  • 収益性の無い郵政や零細農家の保護に走る行政

日本の社会体制だって過去100年で大きく変わってきた。これからの50年で大きく変わらないとも限らない。その変化をある程度は意識しておいたほうが良いのではないかと思ってきた。

そのうち、トップの経済大国としての認識はなくなるのだろう。せいぜい仏独と肩を並べるような。中国の存在感は増し続け、様々な分野で追い抜かれもするのだろうね。労働力確保の為に移民の受け入れが活発化し、人種多様性は増すかもしれない。英語、中国語の重要性は増していくのだろうね。北欧や西欧の人のように母国語だけでは高給職にありつけなくなるかもしれない。消費税増税はされるのだろうな。後になって法人税を引き下げてももう遅いかもしれん。

高齢者が世界で最も活発な国になるかもしれん。西洋人のように引退してのんびりなどせず、70ぐらいは働くことを求める人が増えるかも。総合力では中国には勝てないが、「この分野なら日本」というアンバランスに突出した魅力の溢れた国であって欲しいな。食い物が美味くて、ファッションや美術が個性的で、一部工業製品の品質は異様なほど高く、観光客に溢れるイタリアみたいな国になってしまっても良い。イタリアも財政はボロボロだし、政治は腐敗しているし、ある意味日本の先をいっているのではなかろうか。

今じゃ外国も寿司屋だらけだけれども、シャリの美味い寿司屋なんて殆ど無い。未だに寿司はネタ勝負だと思って、シャリには現地の不味いジャポニカ米が使われる。日本で寿司を食べて、シャリの美味さに感心したなんて話は聞く。寿司ブームを起爆剤にして日本米ブームなんて起きないものか。日本に出稼ぎに出たフィリピン人は米の美味さに嵌るというし、日本人駐在員の家では気をつけないとメイドに米を盗まれるという話も聞く。。。。世界で通用するものはたくさんあるはずなんだが。

パサイロードにある築地の寿司を食べ、涙する。山葵効き過ぎ