タイ美人

ホテルの近くでやっているショーを見に行った。昭和な香りのする場末のテアトロといった印象。22時から行われたショーは入場料600BHTほどで、観客は大半が日本人観光客だった。ショーは1時間ほどだったがテンポがよく、基本的には歌と踊りなのだが中国宮廷歌舞から金閣寺のような背景で歌う松田聖子、タイ宮廷歌舞、キャバレー調、ハワイアンなど様々。安い給料で嫌々踊っているといった感じではなく、踊りも本格的で満面の笑みで歌っている。

街中で会ったら、ああ綺麗なタイ美人だと思うに違いない。一般の感覚としてはどうだろう。


彼女らは皆、元男。付いていたり既に付いていなかったり。身体的な制約故に、誰よりも女性らしくありたいという衝動を押し殺してきたに違いない。抑圧された分、女性らしさを堂々と追求し、それが生活の糧になるのだから彼女らが活き活きとしているのも納得がいく。女性らしさを全身全霊でとことん追求しているわけだからそりゃ仕草もかわいいわな。歌舞伎の女型と同じことだ。好きなことを存分に追求している姿は魅力的だということか。

当然、残念ながら手術をしてもみんな美しくはならない。多少ごつくても、あそこまで笑顔でいられたら良いような気がする。逆手にとって笑いの方向に稼ぐ人もいる。ショーの後、写真撮影をねだられてたくさんチップをもらっていた人気者は一番美しい女性とこのお笑いキャラの女性。二人といらないポジションだけに安泰で高収入な隠れ花形だと見受ける。