タイマンゴー

タイマンゴー

香港では腐らせてしまって残念なことになったが、懲りずにタイでもマンゴーを探す。

実はタイには大きな期待を寄せていた。タイは実はアジア有数のマンゴー天国で、フィリピンではなかなかみないアルフォンソマンゴーに加え、ナンドクマイ種というマンゴーのほかに60種程度あるそうな。ナンドクマイ種は「イエローマンゴー」や「ゴールデンマンゴー」とも呼ばれ、外見や風味はペリカンマンゴーに似ているものの、若干ペリカンマンゴーより大きく、種も非常に平べったい。ナンドクマイとはタイ語で「花の雫」という意味らしく、先の尖った花びらのような形から来ているそうだ。ペリカンマンゴーよりも先が尖った反りがある。コクのあるまろやかな甘みとほんのりとした酸味、そして何より大玉なのでボリューム感が嬉しい。

ただ市場で買ってきて何も手を加えずに食べるのが一番手軽。工夫が欲しければ、タイにはマンゴータンゴーというカフェがある。メニューはみな踊りの名を冠していて、マンゴープリンの上に季節のフルーツ、タピオカを乗せた「マンゴルンバ」、ゼリーにマンゴーソースをかけた「マンゴチャチャチャ」など遊び心がある。

フィリピンにもマンゴーファームなるマンゴーデザートの専門店があったがカフェスペースの無い屋台のようなものだった。華やかに皿を飾り立てるということも無い。折角のマンゴー大国なのに、マンゴータンゴーのような店があっても良いように思うのだがどうなんだろう。前々から思っていたが、これだけフィリピン人労働者を海外に送り出しているわけだから、それぞれが行く先々の素晴らしい文化やアイデアに触れているはず。それを皆がフィリピンに持ち込めば、経済的にとてつもない可能性を秘めているのだがなぜそのような商売が勃興しないのだろう。

タイ料理屋で見つけた素晴らしいマンゴーディスプレイ。まるで蓮の花のようにみえる。流石タイ。肌理の細かいタイらしい演出である。