晩夏に日本に帰国する楽しみのひとつは和梨にある。

和梨は果物の中で一番の好物で、マンゴーは実は2番目だ。とりわけ和梨の中でも赤梨系の幸水が好きで、ほかに幸水との掛け合わせ品種も好きだ。要はシャクシャクとした石質がはっきりとしていて瑞々しい品種だ。20世紀などの青梨系はそこまで好きではない。長寿朗などはシャクシャクしているが瑞々しさが足りない。やはり幸水だ。

残念ながら、スーパーには豊水しかなかった。確かに幸水の旬は8月で9月は豊水だ。この旬の短さも日本の食材の不自由するが上に季節の移ろいが楽しい理由かもしれない。

それにしても東京大丸のデパ地下、池袋の西武東武のデパ地下、果ては巣鴨西友まで見たが同じ品種でも値段が大きく異なるものよ。同じ店でも6個498円で売られている物もあれば大玉で2個498円で売られているものもある。産地や玉の見栄えなどいろいろあるのだろうが価格付けの仕組みが良くわからない。


ためしに秋水という豊水より高い値段で売られていた品種も買ってみた。これは初めて食べる品種である。感想は秋水のほうが豊水よりも石質がしっかりしている上、果汁も酸味がありつつも甘い。聞くに秋水は幸水豊水の掛け合わせだという。幸水好きな自分としては豊水だけよりも豊水幸水のかけ合わせのほうが好きだということか。これにはえらく納得した。

幸水⇒秋水⇒南水⇒豊水⇒新水⇒20世紀⇒長寿朗

梨といっても別物なので序列に洋梨を入れるのは難しいがラフランスにパロマハムを巻いて食べるのもなんとも美味い。マニラに豊水をいくつか持ち帰って試してみよう。


ところでフィリピンにも和梨のようなものは売っている。しかし名前はKoreanPearである。韓国梨は和梨とは別物なのだろうか。韓国梨にも和梨のような多様な品種があるのだろうか。是非持ち帰った豊水と食べ比べてみたい。ちなみにAustraliaではNashiPearと売っていた。冗長な名前である。