Granada Palacio de Los Patos


19世紀に建てられた小さな宮殿を改装したホテルである。宮殿本館はPresidential Suiteなど20室が入り、脇に非常にモダンな新館が併設されさらに20室を擁す。


本館の中央階段は大理石造りで雰囲気に溢れる。古めかしいスタイルながら清潔に整備されており、罅割れも黴臭さも一切無い。


それをとりまくようにしてモダンな新館がつながれる。中庭には噴水がいたるところにあるのだが、面白いことに底面がガラス張りになっており、地下への天窓ともなっている。噴水の水の煌きが地下の部屋を瞬くように眩しく照らす。デザインが楽しめる。


新館の地階にはSezoneという瀟洒なレストランがあり、地下には無料で利用できるSPAとサウナがある。SPAなんてものは維持費にはそれなりにお金がかかるだろう。有料にすれば利用者は非常に少なくなるがそれでも維持費は変わらない。ならば無料にして宿泊者に大いに利用してもらい満足度を高めるほうが利があるかもしれない。維持費は宿泊費に盛り込めばよい。

無料WiFiは会社勤めの休暇取得者には有難い。なんだかんだ周囲を見ても休暇中も最低限メールチェックする人は多い。しかしBlackBerry等携帯端末だと添付ファイルが見れないし、一般端末だとセキュリティの問題もあるのでやはり自分のラップトップを持ち歩く人は多いのだろう。空港を見てもそこら中でコンセントに挿してネットサーフしている旅行者を見るし、近年の低価格モバイルPC市場の拡大を見ても、旅行とはいえ自前のPC端末を持ち歩くのが主流になるのかもしれない。

また、旅行を貪欲に楽しもうとすると自前のガイドブックの情報やコンシェルジュの情報では物足らないということもある。鉄道や飛行機の予約を取ったり、レストラン情報を集めたり、旅行中に家族とSkypeで連絡したり。特に現地言語に馴染みが無い場合はコンシェルジュスペイン語訛りの英語で四苦八苦説明されるよりは楽である。

普段使っている機器を旅行中もストレス無く使える。また、その環境がサポートされているというのがひとつの快適さの要素なのかもしれない。

豪華で文化的な要素に触れつつも、清潔快適な水周り、通信環境の充実。そしてそれでいてMadridのホテルの半分ほどの値段。圧倒的なコストパフォーマンスの高さに感嘆。