Granada Cathedral


3年前は一人だったがここを訪れ、このパイプオルガンに魅了され、写真を撮ったのを鮮明に覚えている。あの頃と比べて自分は何が変わったのかとふと思う。独身だった。入社3年目でまだ若手気分は抜けていなかった。キャリアの迷いなんてものも無く、目の前の仕事を片付けて次はどの国に旅行するかなんてことばかり考えていた。已然として如何に安く旅行するか試行錯誤していた。道ですれ違った地元の人の家に転がり込むなんて馬鹿もしていた。


入社6年して給料も上がり、バックパッカーの安宿を転々としていた以前とは比較にならない豪華なホテルに背伸びして泊まれるようにもなった。一緒にレストランで食事を楽しみ、一緒に観光を楽しむ伴侶もできた。3年の間にも申し分なく物事は進んできたように思うが、何をしたいのか自我が強まった分、不安が強まったことも事実だ。なんとなく、どのように5年、10年という月日が経っていくのかわかってきた。意識しなければ全く自分の期待以下の場所に40代、50代の時点でいる可能性すらうっすら感じ始める。受動的に場当たり的に目の前のものに取り組んでいた自分から、能動的に切り開いていく自分へと転換していく必要性を強く感じている。

これも家族、友人、伴侶、同僚、上司、健康、様々なことに恵まれてきたからこそ自然と沸いてきた健全な変化だと思う。そのことへの感謝が深まる。


コンパクトデジカメから一眼レフに変わったが写真の腕は上達していないことはわかった。理屈を学ぼうとせず気が向くままにシャッターを切っている限りトイカメラでも自分には大差ないのだろう。とはいえ、夜景の綺麗さは一眼レフのほうが確実に綺麗に撮れるのが唯一残された自己正当化。

物事の好き嫌いはさほど変わっていないようである。相変わらず似たようなものを好んでいる。