Granada Alhambra

数百年を経た宮殿を前にして3年の月日など屁ほどでもないだろう。相変わらず美しくアルハンブラ宮殿はあった。


Cordoba、Sevillaという要衝の地がレコンキスタの世情の下、キリスト教徒に落された時代に生まれた王朝。現実に目を向ければ陰鬱とした気分にならざるを得ない時代。


そんな中で生まれたイスラム芸術の最高傑作とも言われるアルハンブラ宮殿は熟れて落ちんばかりの退廃的な美しさを匂わす世紀末ウィーンや清朝末期に通じるものがあるのかもしれない。

やがて来る不幸に目を背けるようにして揺籃された現実逃避の美。わからんでもない。アラブ文化が世界の最先端であった数百年の黄金期は中東より先にイベリア、北アフリカで終焉を迎えたわけか。

下世話な話で人には誰にもモテ期がある。らしい。しかもそれは限られていると言う。ある国や地域が世界を主導した時代というのもある。その国や地域のモテ期のようなものか。

ローマの時代もあった。未だ再来していない。マケドニアが栄えた時代もトルコが栄えた時代もモンゴルが栄えた時代もまた来るようには思えない。スペインもイギリスもロシアもしかり。アラブの時代は再び来るのだろうか。アメリカの時代もいつかは終わり、遺跡に対するような懐かしむ目で見るようになるのだろうか。遺跡の役割は栄枯盛衰を人に教えることかもしれない。

自分にモテ期はあったのだろうか。今さらこられても迷惑だし、大学時代のあれがモテ期だと言われたらそれも寂しい気がする。粛々と、淡々と今を生きるとしますかね。