Cordoba Mezquita

前回のスペイン旅行で行くのを断念していただけに格別の思い入れがあるCordobaのMezquita。実際中を見ると期待はずれだったというのが正直な感想。

なんともチグハグとしているのである。イスラムの時代にすら増築に増築を重ね、そこにキリスト教徒の征服後にはカトリックの大聖堂をど真ん中に建ててしまっているものだから統一感も調和も微塵も無い。あのレンガと石を交互に組み合わせたMezquitaのシンボリックなアーチも場所によっては塗装するだけの安普請で塗料が剥げかけていたり、上塗りして教会装飾を施していたり。なんとか綺麗な角度を探して写真を撮ってみた。

イスラム装飾の美しさは対称性と連続性にあると思っているのだが、アーチが連続した先に悉く自己主張するようにキリスト教の祭壇やらが置かれ台無しにしている。赤茶と白の統一感を金塗りの過剰装飾で乱している。もったいない。

ガイドブックを見ると、Mezquitaに加えられた大聖堂は建築好きなCarlos5世の手によるらしい。新婚旅行でグラナダを訪れ、アルハンブラ宮殿を気に入り敷地中央にルネッサンス様式の場違いな宮殿を建てたあのCarlos5世か、と思うと苦々しい。有能な君主だったらしいが、歪んだ自己顕示欲のある王だったのか、キリスト教国の優位性を強調する政治宗教的意図を重視したのか、単に旧世界の美を理解できない悪趣味の人だったのか。

散々悪態をついたが、破壊されずに後世にこんなに素晴らしいものが残っていることに感謝。多様性は豊かさなのだな。